今回はTestosterone氏が推奨する『マクロ管理法』のやり方・注意点、具体的なメニュー例を紹介します。
『マクロ管理法』というダイエット法。これはツイッターフォロー数が約80万人を誇る、筋トレインフルエンサーの第一人者であるTestosterone(テストステロン)氏が推奨するダイエット方法です。
ただダイエットと言っても何も減量だけに使えるものではありません。減量だけでなく、バルクアップ(体重アップ)、体重維持にも活用可能です。
そのためダイエット法というよりも、自分が望む体型になるための食事方法と言った方がニュアンスが伝わりやすいと思います。
今回の記事ではそのマクロ管理法を実践するための、栄養バランスの計算方法、実践する上での注意点、さらに具体的にな食事のメニュー例を紹介します。
理想的なスタイルを手にいれるための食事法をマスターしたい方や、Testosterone氏が推奨するダイエット法を知りたい方はぜひチェックしてください。
マクロ管理法の特徴・考え方
マクロ管理法とは、あなたの体重・身長・年齢などのデータから1日に摂取するべきカロリーを計算し、そのカロリー数から導き出せるマクロ栄養バランスに基づいてごはんを食べましょうという食事方法です。
ちなみにマクロ栄養バランスとは、たんぱく質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)の割合のこと。
それらマクロ栄養素に従い食事をすれば、理論上は自分がなりたい理想のスタイルに自然となれる(筋肉をつけたい人はトレーニングも必要)というのがマクロ管理法の考え方です。
なおここまで読んで、「マクロ栄養素を自分で計算して、さらにそこから食事メニューを決めなくちゃいけないなんてすごく難しそう…」感じた方もいるかもしれせん。
しかしマクロ管理法で、必要なカロリーやマクロ栄養素を計算するのに必要なのは足し算・割り算・掛け算・割り算などの四則演算だけ。実際にマクロ管理法をやればわかりますが、電卓(アプリでもOK)があれば誰でも3分もかからず、すぐに計算はできます。
マクロ管理法を実践するための計算方法は本当にすごく簡単です!
また食事メニューについてもマクロ栄養バランス(PFCの量)を守れば、ハンバーガーやピザのようなジャンクフードを食べても大丈夫なので、それほど大きな制約も無く、習慣として取り入れやすい食事・ダイエット方法です。
では実際にどのようにしてマクロ栄養素を計算するのか?次は実際にその計算方法をお見せします。
【4ステップで出来る】マクロ管理法の計算方法
マクロ管理法を実践するためには、性別・身長・体重・年齢などのデータが必要です。
そこで今回は次のような人物をモデルケースに、マクロ計算方法のやり方をご紹介します。
- 性別…男
- 身長…175cm
- 体重…65kg
- 体脂肪率…18%
- 年齢…30歳
- 目的…増量・バルクアップ
- 1日の活動量…低め
それでは上記のモデルケースの場合を例にして、マクロ管理法で必要な情報を計算してみましょう。4つのステップで計算はできるので、とても簡単ですよ。
ここからがマクロ管理法における栄養成分の計算方法の解説です。
1ステップずつ進めば、誰でも簡単にできる内容なのでわらない場合には、繰り返して読むようにしてください。
3回も読めば流れをきちんと理解できますからね。
【ステップ1】1日の基礎代謝を計算
まず1日の基礎代謝を計算します。基礎代謝があなたが何も活動しなくても、寝ていてるだけ勝手に消費されていくエネルギー量のことです。
1日に必要な基礎代謝は男性・女性によって異なり、それぞれの計算方法は次の通りです。
●男性…
10×【体重(kg)】+6.25×【身長(cm)】-5×【年齢(歳)】+5
●女性…
10×【体重(kg)】+6.25×【身長(cm)】-5×【年齢(歳)】-161
そしてモデルケースの場合を計算すると、以下の通り。
10×【65(kg)】+6.25×【175(cm)】-5×【30(歳)】+5=1599(kcal)
【ステップ2】1日の消費カロリーを計算
続いて先ほど求めた【基礎代謝】から1日に消費するカロリーを計算します。
なお基礎代謝とは寝ているだけで勝手に消費されるカロリーのことですが、1日に消費するカロリーは各自の生活の『アクティブ度(活動量)』によって異なってきます。
アクティブ度の判断の目安は、次の表を参考にしてください。
- アクティブ度が低い…座り仕事が多い。1日の運動は歩く・階段の上り下り程度
- アクティブ度が普通…立ち仕事が多い。1日中歩き回るレベルの運動量
- アクティブ度が高い…肉体労働・重労働が多い。ジムでハードなトレーニングをしてる
そして各アクティブ度での、消費カロリーは次の計算式で求められます。
- アクティブ度が低い…基礎代謝×1.2
- アクティブ度が普通…基礎代謝×1.55
- アクティブ度が高い…基礎代謝×1.725
今回のモデルケースでは『アクティブ度が低い』と想定したので、1日の消費カロリーは以下の通りです。
1599kcal(基礎代謝)×1.2=1919kcal
【ステップ3】摂取するべき総カロリーを計算
先ほど算出した1日の消費カロリーから、摂取するべき総カロリーを計算します。
総カロリーは、あなたが「増量・バルクアップ」「現状維持」「減量・ダイエット」の3つの内で、どれになりたい方によって変わってきます。
なおそれぞれのカロリー計算方法は次の通りです。
- 増量・バルクアップ…1日の消費カロリー×1.2
- 現状維持…1日の消費カロリー×1.0
- 減量・ダイエット…1日の消費カロリー×0.8
今回のモデルケースは『増量・バルクアップ』したい方なので、摂取カロリーは以下となります。
1919kcal(1日の消費カロリー)×1.2=2303kcal
【ステップ4】マクロ摂取量を計算
最後の4ステップ目では先ほど計算した1日の消費カロリーから、各マクロ栄養素(PFC)の摂取量を計算します。
これまでの3つのステップと比べると少しだけ計算量は増えますが、簡単な内容なのでゆっくり読めば理解していただけるはずです。
早速ですが、あなたが1日摂取するべきマクロ栄養素の計算方は次の通りです。
- たんぱく質(P)…体重の2倍(g)
- 脂質(F)…総カロリーの25%
- 炭水化物(C)…総カロリーからPとFを引いたもの
なおマクロ栄養素を計算するためには、PFCの1gあたりのカロリー数が必要なります(以下の値)。
- P(たんぱく質)…4kcal
- F(脂質)…9kcal
- C(炭水化物)…4kcal
それではモデルケースの人物を対象に、マクロ栄養バランスを計算していきましょう。
ステップ4はこれまでのステップと比べて計算量が多いですが、やっていることはとても簡単な内容なので、ゆっくりと読み進めれば理解できますよ。
P(たんぱく質)の摂取量の計算
Pの摂取量=体重65kg×2g=130g
Pのカロリー…130g×4kcal=520kcal
F(脂質)の摂取量の計算
続いてはFの摂取量を計算します。
Fのカロリー…総カロリー2303kcal×25%=576kcal
Fの摂取量…576kcal÷9(1gあたりのカロリー)=64g
C(炭水化物)の摂取量の計算
最後に炭水化物の摂取量を計算します。
Cの摂取カロリー…2303kcal-(520kcal+576kcal)=1207kcal
Cの摂取目安…1207kcal÷4(1gあたりのカロリー)=302g
以上でマクロ栄養素の計算は完了です。
モデルケース(男性・体重65kg・身長175cm・30歳・バルクアップしたい)の場合、摂取するべきマクロ栄養素は次の通りになりました。
- P(たんぱく質)…130g
- F(脂質)…64g
- C(炭水化物)…302g
上記のマクロ栄養素に従い、あとは毎日食事をするだけ。これがTestosterone(テストステロン)氏が推奨するマクロ管理法となります。
マクロ管理法を実践する上での注意点【完璧にしすぎるのはダメ】
マクロ管理法を実践していく上で大切なことが、完璧にやりすぎないことです。
PFCの各栄養素をきちんと計算して求めたので、1g単位まできちんと守らなくちゃいけないと考える人もいるでしょう。しかし始めから完璧を求めてしまっては、それがストレスになるので継続することが大変難しくなります。
ですので多少の違いであれば気にしなくて大丈夫です。具体的にはPとCは±10g、Fは±5gの範囲なら問題ありません。
多少のずれはあっても継続することが大切なので、マクロ管理法を実践したい方は一過性で終わらず継続させることを第一優先に考えて、できるだけストレスなく取り組むようにしましょう。
なおマクロ栄養素の範囲に収まるのであれば、牛丼やカツカレー、ピザ、ハンバーガーなどの高脂質&高糖質の食事をしても大丈夫ですよ。
マクロ栄養素の範囲内なら、好きなものを食べて大丈夫!
だから気軽に始められて、継続もしやすい食事法です。
マクロ管理法での食事の具体例メニュー(フル食)
では具体的にマクロ管理法を実践した1日の食事がどんな風になるのか?具体的な1日の食事メニュー(フル食)を紹介します。
コンビニやスーパーで手に入る簡単な食材・惣菜を使ったメニューを組みましたので、すぐに実践ができるはずです。
朝食
- サトウのごはん…P4.2g、F0g、C67.8g
- 全卵(2個)…P14.8g、F12.4g、C0.4g
- おかめ納豆…P8.6g、F4.7g、C0.2g
朝はたんぱく質だけでなく、糖質と脂質もしっかりと摂れるよう定番の朝ごはんメニュー『納豆卵かけご飯』にしました。
なおトレーニーの中には卵の黄身は脂質が多いからと捨てる方がいますが、マクロ管理法では決められた数値分の脂質をしっかりと摂ることが大切なので、全卵で食べるようにしましょう。
昼食
- 牛丼・並(松屋)…P18.8g、F23.8g、C100.6g
牛丼みたいな脂質と糖質が多い食事でも、マクロ栄養素の範囲内であれば食べても大丈夫です。
なお同じ牛丼でも、『すき家』『松屋』『吉野家』『なか卯』でマクロ栄養バランスは違ってきます。
細かい数値を確認したい方は、上述した記事で人気牛丼チェーンの栄養成分を紹介していますので、そちらをご参照ください。
昼間食
- シュークリーム…P3.77g、F6.99g、C18.46g
マクロ栄養素の範囲内なら、シュークリームみたいなデザートも食べてもOK。
ただし脂質を抑えたい方はシュークリームやケーキのような洋菓子ではなく、まんじゅうや大福餅のような和菓子を選択するようにしてください。
和菓子は脂質がほとんど含まれていないので、トレーニー達には人気が高いおやつです。
トレーニング前
- 鮭おにぎり…P4.21g、F0.58g、C41.25g
筋トレ前にはエネルギー源となる炭水化物を食べておいた方が、トレーニング強度を上げることができます。
トレーニング1.5-1時間前にはおにぎりなどの炭水化物中心の軽食を食べましょう。バナナのようなフルーツでもOKです。
トレーニング後
- ホエイプロテイン(35g)…P27.1g、F2.1g、C2.9g
筋肉をつけて体を大きくしたい方は、トレーニング後のたんぱく質摂取はたいへん重要。
食事でしっかりとたんぱく質を補給できないなら、ホエイプロテインを飲んで補ってあげましょう。
なお初心者トレーニーの内は、プロテインは量を気にせずにガンガン飲むべきなので、コスパ重視で選ぶのがおすすめです。
例えば『リミテスト』『エクスプロージョン』『SAVE』『アルプロン』などのブランドですね。
リミテストのホエイプロテインは僕も愛用しています。
国内製ではずば抜けて、コスパが良いのでおすすめです。
またホエイプロテインのコスパランキングは次の記事で紹介していますので、詳しく知りたい方はそちらをご参照ください。
夕食
- サトウのごはん…P4.2g、F0g、C67.8g
- 全卵…P7.4g、F6.2g、C0.2g
- サラダチキン…P25.4g、F1.7g、C0.7g
- さばの水煮缶(いなば)…P15.4g、F7.2g、C0.3g
夕食のメインディッシュは『サラダチキン』と『さばの水煮缶』。どちらも値段はリーズナブルだけれど高たんぱくな、ありがたいアイテムです。
ちなみに鯖はオメガ3脂肪酸(DHA、EPA)と呼ばれる良質な脂質を摂取できるので、かなりおすすめです。
ただし良質な脂質であっても摂り過ぎはいけませんので、缶詰の栄養成分を確認して脂質が多い場合には缶汁を残しましょう。
こちら(↓)の『いなばのさば水煮缶』なら、100gあたり缶汁を含めて脂質が7.2gとさば缶の割には低いですよ。
以上がマクロ管理法での食事メニュー例です。
- P…133.88g(130g)
- F…65.67g(64g)
- C…300.61g(302g)
メニューをご覧になってわかるように、マクロ管理法では『牛丼』のようなジャンクフードや、『シュークリーム』のような洋菓子を普通に食べることができます。そのため食事メニュー的にはストレス度が低く、継続しやすいです。
なお同じようにマクロ栄養素を管理して、体重を増加させる『リーンバルク』という方法がありますが、そちらは脂質が少なめに設定されているので『マクロ管理法』よりも食事の自由度は下がります。
そのためゆるく長く無理のない範囲で続けたい方には今回紹介した『マクロ管理法』がおすすめです。
一方、多少制限が厳しくてもいいからできる限り脂肪は付けずに、筋肉だけでバルクアップしたい方には『リーンバルク』での食事をおすすめします。
リーンバルクのやり方やメリット・デメリットは次の記事で紹介していますので、そちらをご参照ください。
まとめ
今回の記事ではTestosterone(テストステロン)氏が推奨する『マクロ管理法』について、やり方や注意点、さらには実際に食事例について紹介しました。
Testosterone氏も言っていますが、マクロ管理法を成功させる上で大切なのは継続して習慣化すること。いくら良い食事・ボディメイク法であっても1週間やめて終わっては意味がありません。
1週間やってまた別の方法を試すの繰り返しでは、いつまで経っても理想の体を手に入れることはできないですからね。
理想のスタイルを手にいれたいのであれば、今の怠惰な食生活を捨ててマクロ栄養素を考慮した食事を習慣化できるようにしましょう。
なおマクロ管理法については、次のTestosterone氏の書籍『筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方』にわかりやすく解説されています。
1時間もあれば読み終わりますが、学びや気づきが多く何度も読み返したくなります。
特に筋トレ初心者さんにおすすめの内容です。
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